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『RAMPO』(らんぽ)は、1994年6月25日公開の日本のミステリーおよびファンタジー映画である。
「映画生誕100年・江戸川乱歩生誕100周年・松竹創業100周年記念作品」と銘打って公開された。「プロデューサーによる作り直し[注釈 1]」、「ふたりの監督による2バージョン同時公開」、「劇中のサブリミナル効果」など映画内外の数々のエピソードが話題になった作品である。
竹中直人が演じる江戸川乱歩の日常と、彼の小説世界とが交錯する幻想的な物語は、その映像美と相まって鮮烈な印象を残した。「松竹」と「セガ・エンタープライゼス」との共同プロジェクトにより実現したインタラクティブ・アドベンチャー。映画と同時進行で制作されたため、竹中直人、香川照之、羽田美智子など映画と全く同じ俳優が出演する。撮影は映画で使用されたものと同一のセットと、ゲーム用に作ったロケセットの両方から実写映像が撮り込まれ、CG映像と組み合わされている。[1]映画版には登場しなかった、ゲーム版だけの登場人物が追加されている[2]。
江戸川乱歩生誕百周年記念映画「RAMPO」の世界観を元としたセガサターンのゲームは全編にわたって映画的手法の演出が施され、物語はすべて音声セリフのみで進行。コマンドウィンドウ、メッセージウィンドの表示はなく、動画、静止画、音声で構成されている。画面内の登場人物に対してどのような態度で接するかは、プレイヤー自身が選択できる[2]。登場人物に「はい」「いいえ」などの感情で対応する"感情入力システム"の導入で物語に深く感情移入できるようになっている。与えられた選択肢でなく、プレイヤー自身が感じた気持ちで答えを返す"感情移入システム"は、「真説・夢見館」でも導入された[3]。目の前の人物にどう接するかによって、ゲーム展開が変化し、エンディングにも影響する。どのように事件を解決したかによって探偵としての能力が5段階で評価される[2]。
プロデューサーの奥山和由は監督の黛りんたろうが完成させた作品に納得できず、自らメガホンを取って全体の70%を撮り直すなど映画を再構成、自分なりの作品を作り上げた[4]。それぞれは「黛バージョン」「奥山バージョン」と呼ばれ、同じ日に別々の劇場で公開された[4]。上映時間はそれぞれ93分と98分。配給収入は12億円[5]。
1995年5月27日には「奥山バージョン」に未公開シーンを加えてさらに再編集したものに、千住明による音楽(指揮:ヴァーツラフ・ターリヒ、演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)を追加した上映時間100分の「インターナショナル・ヴァージョン」も公開された[4]。
「奥山バージョン」「インターナショナル・バージョン」の2作は、映倫の一般映画制限付(R指定、現在のR15+指定)を受けている。
昭和初期の東京。探偵小説家の江戸川乱歩は、ある事件で夫殺しの嫌疑をかけられている女性・静子(羽田美智子)に興味を持つ。この事件が自分の書いた小説にそっくりだったためである。乱歩は小説の中に自分の分身・明智小五郎を登場させて静子を助けようとする。
RAMPO (黛バージョン) | |
---|---|
監督 | 黛りんたろう |
脚本 |
奥山和由 榎祐平 黛りんたろう |
製作 | 西岡善信 |
製作総指揮 | 奥山和由 |
出演者 |
本木雅弘 竹中直人 羽田美智子 香川照之 平幹二朗 |
音楽 | 川崎真弘 |
撮影 | 森田富士郎 |
編集 | 谷口登司夫 |
配給 | 松竹=松竹富士 |
公開 | 1994年6月25日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 12億円(奥山版との合算) |
RAMPO(奥山バージョン) | |
---|---|
監督 | 奥山和由 |
脚本 |
奥山和由 榎祐平 |
製作 |
西岡善信 中川芳久 |
製作総指揮 | 奥山和由 |
出演者 |
本木雅弘 竹中直人 羽田美智子 香川照之 平幹二朗 |
音楽 | 川崎真弘 |
撮影 | 佐々木原保志 |
編集 | 川島章正 |
製作会社 | 「RAMPO」製作委員会 |
配給 | 松竹=松竹富士 |
公開 | 1994年6月25日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 12億円(黛版との合算) |
「黛バージョン」に対する「奥山バージョン」の主な変更点は以下の通り。
1995年5月、TBSのオウム真理教関連番組内で、サブリミナル的な演出手法が採られたことが大きな問題になった。このため同年8月19日、WOWOW(日本衛星放送)は「奥山バージョン」を放送するにあたって、サブリミナル効果を狙ったといわれる18か所と、フラッシュバックと呼ばれる短いカットを連続的に繋ぐ演出手法が取り入れられている9か所の、合計27か所をカットした。