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試験電波(しけんでんぱ)とは無線局や放送局が送信する電波が規定の規格に合致しているかの確認及び試験調整のために送信する電波。
送信機に空中線(アンテナ)を接続した状態で電波を発射し、周波数精度、空中線電力及び規定されたチェック項目を満たしているか調査し、測定結果を記録する。
開局前に試験電波を発射するためには所定の手続きを経て予備免許を取得する必要がある(免許申請から予備免許を取得するまで通常約3ヶ月かかる)。
等を測定、確認する。
試験電波の測定項目を審査した上で無線局に正式免許が下ろされ、その証明として無線局免許状が交付される(たいていは本放送開始前の1週間〜3日前に交付される)。
地上デジタルテレビ放送の場合は映像・音声信号のない状態(いわゆるPN信号)での試験電波の後、映像・音声信号がついた(いわゆるTS信号)本放送と同内容の試験放送(いわゆるサービス放送)を行うのがほとんどである。
開局後はもっぱら定期的な品質管理のために試験電波を用いる。定期的に測定を行い、検査記録を保存する。
無線局が無線機器の試験または調整のため電波の発射を必要とするとき、次の手順で試験電波を発射するように無線局運用規則第9条で定められている。
「VVV」の連続および自局の呼出符号の送信は10秒間を超えてはならないが、海上移動業務以外の業務の無線局では、必要がある時は10秒間を超えて「VVV」の連続および自局の呼出符号の送信をすることができる。
ラジオ局およびテレビ局では、放送休止の時間帯において(特例もある。後述)、さまざまな形で試験電波を発射している。「試験放送」とも[1]。場合によっては空中線電力を通常より低くして送出する(減力放送)。
多くは内容をともなわない(受信機側では無変調)。ラジオの場合、同調が取れていて、かつ無音が放送されている状態があり、BCL用語で「垂れ流し」という。
ただし、以下のように、聴取者・視聴者が受信機の調整に役立つような内容を放送する場合がある。
以上の内容を放送する際、上記の無線局運用規則に基づき、試験電波を発射している旨のアナウンスないし字幕を放送している。
内容の有無に関わらず、断続的に停波する形をとることがある。
ラジオ局の試験電波送出では、テストトーン(1キロヘルツの「ピー」という信号音)のほか、ジャンルを限らず、深夜から早朝にかけて曲を流し続ける例が多い。曲の合間ないし再生中に、「(日本の場合)JO○○、こちらは○○(放送局名)です。ただいま試験電波を発射しています」という内容のアナウンスを流している(タイミングはおおむね10分に1回から、30分 - 60分に1回まで幅がある)。これはインターバル・シグナルの役割も兼ねている。
これらの内容はradiko、LISMO WAVE、ドコデモFM・WIZ RADIOなどのインターネット上のサイマル放送でも流されることがあるが、配信を止められる場合と配信制限する際のBGMとナレーションを時間いっぱい流す場合がある。地上波では電波の送出を止めて砂嵐音となっている場合は、大抵は「垂れ流し」(無音)になるが、いずれも日曜深夜~月曜未明の一部時間帯の休止枠において、Kiss FM KOBEやエフエム大分などのように、テストトーンに加えてあえて砂嵐音をそのまま放送する場合もある。
そのほか、ニッポン放送や文化放送もおおむね2:30 - 4:30の間で不定期に試験電波を放送することがあり、AMとFMで別音源、ないしはどちらか片方のみで行うこともある。
1978年(昭和53年)11月23日、国際電気通信連合(ITU)の取り決めにより、協定世界時で23日 0:01をもって、アメリカ大陸以外のアジア・オセアニア・アフリカ・ヨーロッパの中波放送の周波数間隔が10kHzから9kHzへ変更されることとなった(9キロヘルツセパレーション)。日本は協定世界時より9時間進んでいたことから、当日の放送開始時刻(終日放送の実施局は5:00)から9:01までは『試験電波』の発射の名目で通常番組を放送した。
テレビ局の試験電波送出中の画面では、音声はテストトーンまたは音楽、映像はカラーバーまたはモノスコープの静止画に、「試験電波発射中」の文字と局名を示す表示(ロゴタイプなど)がテロップで添えられる、という例が多い(局名についてはウォーターマークで代用する局もあり)。テストパターンの代わりに気象情報(天気図、今日の天気、週間天気など)の画面を切り替えながら放送している例もある。
また、お天気カメラの映像や、通常の放送休止時間帯にフィラーとして放送している番組(民放キー局が運営するニュース専門放送局のサイマル放送など)を流すことがある。