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荷重(かじゅう、英語:load)とは、力学において、物体の2点間に触れるところで発生するのこと。

作用方法による分類

  • 静荷重(static load)
死荷重(dead load)とも呼ばれる。物体に働く力の大きさや方向が変わらないか、変わるとしても極めてゆっくりと変わる荷重のこと[1]
  • 動荷重(dynamic load)
活荷重(live load)とも呼ばれる。物体に働く力の大きさや向きが変動する荷重のこと[1]。内燃機関のクランクシャフトや車両用ばね、鋳造機械のハンマーなどのような機械部品は動荷重を繰り返し受けているものが多い[1]
  • 交番荷重(alternating load)
大きさとともに荷重の方向が繰り返しかわる荷重。
  • 繰返し荷重(repeated load)
1方向に周期的に繰り返して加わる荷重。
  • 移動荷重
かかる力が移動する荷重。では自動車や列車が移動するにつれて力の作用が変わるが、この場合は移動荷重として設計する[2]
  • 衝撃荷重(impact load)
きわめて短時間に瞬間的に急激に働く荷重。

物体の変形状態による分類

a:軸荷重(圧縮荷重)、b:軸荷重(引張荷重)、c:せん断
四角い断面のはりに、せん断荷重をかけた場合
ねじりの例
  • 軸荷重
物体の軸線方向(右図では物体の長手方向)に作用する荷重で、荷重の作用線が一致する[3]
  • 引張荷重(tensile load)
軸荷重のうち、物体を引き伸ばす方向に作用する荷重。張力とも。
  • 圧縮荷重(compression load)
軸荷重のうち、物体を押し縮める方向に作用する荷重。
ある水平面を考えたとき、面の上方と下方で、その面に沿って交互に反対向きに作用する荷重。軸荷重と垂直に作用する[4]。せん断荷重による作用線は一致しない[3]
  • 曲げ荷重(bending load)
材料を曲げる荷重。引張荷重と圧縮荷重が同時に作用する。作用点の発生位置が異なる[3]
  • ねじり荷重(torsional load)
物体のある軸線に直角方向のモーメントを発生させるような荷重。作用点の発生位置が異なる[3]

分布状態による分類

集中荷重の例
等分布荷重
  • 集中荷重(concentrated load)
物体表面の一点に集中して作用する荷重。規模のある構造物において、その大きさと比較すれば点とみなせる範囲に荷重が作用する場合は集中荷重として扱う[5]
  • 分布荷重(distributed load)
物体表面にある分布をもって作用する荷重。
    • 等分布荷重(uniformly distributed load)
物体表面に等しく作用する荷重。
  • 直接荷重と間接荷重
物体に直接作用する荷重を直接荷重と称するに対し、他の物体を介して間接的に作用する荷重を間接荷重と称する[2]

脚注

参考文献

  • 機械工学概説編集委員会『機械工学概説』(16版)学献社、1999年2月26日。ISBN 4-7623-4010-3 
  • 小山信次・鈴木幸三『はじめての材料力学』(第2版)森北出版、2005年3月31日。ISBN 4-627-66352-8 
  • 伊津野和行・野阪克義『構造力学』森北出版〈都市環境デザインシリーズ〉、2009年1月30日。ISBN 978-4-627-41511-9 

関連項目