2020年9月30日まで使用された本部庁舎
岡山県警察 (おかやまけんけいさつ)は、岡山県 が設置した警察 組織であり、岡山県内を管轄区域とし、岡山県警 と略称する。警察法 上、岡山県公安委員会 の管理を受けるが、給与 支払者は岡山県知事 である。警察庁 中国四国管区警察局 管内。本部所在地は岡山市 北区 内山下 二丁目4番6号。
沿革
1954年 7月1日 - 警察法施行により岡山県警察発足。
1955年 5月1日 - 警務部に監察官室を新設。
1958年 11月1日 - 刑事部に捜査第二課を新設。捜査課は捜査第一課に改称。
1960年 11月1日 - 警備部に警ら課を新設。警ら交通課を交通課に改称。
1961年 6月1日 - 特別警備隊を機動隊に改称。
1964年 4月1日 - 交通部を新設。警備部交通課を移管し交通第一課・交通第二課に改組。警備部警ら課を外勤課に改称。
2020年 6月 - 岡山県庁の南側に新警察本部庁舎が竣工し、10月から業務を開始した。
2021年 7月1日 - 航空隊の所属を地域部地域課から警備部警備課に変更[ 1] 。
本部組織
大規模警察本部であり、本部長は警視監 。
刑事部
刑事企画課
捜査第一課
捜査第二課
捜査第三課
組織犯罪対策 第一課
組織犯罪対策第二課
鑑識課
科学捜査研究所
機動捜査隊
岡山方面隊(警察本部伊福町庁舎内)
倉敷方面隊(倉敷警察署内)
北部方面隊(津山警察署内)
岡山県警察学校
所在地は岡山市北区玉柏2753番地
岡山市警察部
岡山市警察部 長は地域統括官が兼務
関連施設
警察署
警察署 数は22。※警察車両 のナンバー 地名は倉敷・笠岡周辺地域が「倉敷 」
、それ以外の地域は「岡山」である。署長を警視正が務める大規模警察署は岡山中央警察署 と岡山西警察署 。
備前
備中
美作
警察署の再編
歴代警察本部長
マスコットキャラクター
ももくん
ももかちゃん
岡山県の花である「桃の花」にちなんで「ももかちゃん」と名付けられる。2009年 1月に登場した岡山県警察のマスコットキャラクターである。「ももくん」の妹。
全国初の取り組み
岡山県警察では、2019年 にあおり運転 に関する通報専用のウェブサイト 「岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス」を同年11月21日 に開設した[ 3] [ 4] [ 5] 。ドライブレコーダー などの動画 が添付できるものとしては全国初[ 6] 。開設後寄せられた情報を元に、同年11月16日 に倉敷市内であおり運転を行ったダンプカー を特定し、同年12月5日 に道路交通法 違反で初めて摘発した[ 5] [ 7] 。
未解決事件
1995年 4月 - 倉敷市児島上の町にある民家が全焼、焼け跡から自宅の1階から被害者 夫婦(事件当時夫70歳、妻66歳)の遺体が見つかった。夫は腹に包丁 が刺さったままの状態で妻も胸などに刺し傷が数ヶ所あり、夫婦共に頭部が無くなっていた[ 8] 。また公訴時効が無い未解決事件では日本最古である。
2002年 6月3日 - 津山市に住む主婦(当時54歳)が岡山市内で行方不明となっている。しかし、6月23日 に重要参考人 の元タクシー運転手が自殺し、銀行 の監視カメラ から指名手配 した女性も山中で自殺しているのが発見された[ 9] 。
不祥事
2004年 6月 - 警察内部の不祥事防止や違反者の処分を扱う県警本部監察課の次長がオートバイ で出勤途中に38キロ超過の速度違反をし、取り締まりを逃れるために信号 を無視したり、進入禁止の通学路 を走ったりした末、白バイ3台に追いかけられて停止した。県警は警部 を逮捕 せず、違反切符を切るだけにとどめた。
2005年 6月 - 岡山西警察署 出入り口付近で護送車 が被疑者に奪われ、30分後に逮捕された。
2005年 6月 - 児島警察署 の巡査長 が実弾5発の入った拳銃を持ったまま行方不明となり、翌日に奈良県 の山中で見つかった。
2010年 1月 - 真庭警察署 管内の駐在所 に勤務する巡査部長 の長男が、父親である巡査部長の拳銃 を使用して自殺 した。
2010年9月25日 - 笠岡警察署 城見交番に於いて、ロッカーに保管されていた鑑識用の道具が盗まれているのが見付かった。同交番は、通常は24時間体制で署員が常駐しているが、この日はたまたま署で行われていた研修に署員全員が参加していたため前日の24日から無人状態となっていた[ 10] 。
2011年 12月 - 詐欺容疑で逮捕され護送中だった無職の少年(当時18歳)が逃走した。
2012年 4月 - 本部生活安全部通信指令課の警部補 が、“生意気だから”と暴力団 員に指示して部下の女性警察官の私用車に剥離剤を掛け塗装を剥げさせる。両人とも器物損壊 容疑で逮捕された。警部補は所轄で組織犯罪対策を担当していたことから暴力団員とは知り合いだったという。さらにこの警部補は、暴力団員の仲介によって自分が捜査 権限を持たない交通トラブルについて処理する見返りと称して現金 を騙し取ったとして、詐欺 容疑で再逮捕された[ 11] 。
2012年8月 -児島警察署刑事第一課に勤務していた50代の男性警部補が99〜00年に担当した19事件の捜査書類を放置。いずれも時効が成立しており、県警は事件の被害者など関係者に謝罪した。適切に事件を処理せずに書類を放置していたとして警部補を処分する方針である。
2012年10月20日 - 殺人 の容疑で全国に指名手配されていた徳島・淡路父子放火殺人事件 の被疑者の遺体が、県警本部近くのマンション 一室で発見された。死亡後の検死 でも被疑者と気付かず、葬祭業者からの連絡を受け指紋 照合を行い判明した。
2013年 3月26日 - 勝英警察署(現:美作警察署 )で勤務していた40歳代の男性警部補(その後別の警察署に異動)が、交通違反切符 などを処理せず放置していたことが発覚した。放置していた違反案件のうち、数件は公訴時効 となっていた。県警監察課はこの警部補を公文書毀棄罪 で捜査対象とした[ 12] 。
2013年3月30日 - 県警機動警ら隊の40歳代の男性警部補が、県警本部のサーバー に不正アクセス し事件の捜査データ を無断消去していたことが発覚した。この警部補は同隊の備品を盗んだことも明らかになっており、同僚への嫌がらせのためだったと供述した[ 13] 。
2013年6月13日 - 津山市内のスーパーマーケット で育毛剤 が万引き される事件が多発し、店からの被害届 で津山署が防犯カメラの映像に似ているとして同市内の70歳代の男性が逮捕されたが男性は一貫して容疑を否認し、同日には男性にアリバイ があったことも明らかとなったため、同署は男性を釈放した。また防犯カメラの映像をさらに解析したところ、別人であることが明らかとなった[ 14] 。
2013年6月24日 - 岡山西警察署で総務・会計を担当する副署長が4月、署に届けられた600円相当の腕時計 を着服し横領した疑いで書類送検 された。副署長は停職 3か月の懲戒処分 を受け、24日付で依願退職 となった。副署長が倉庫から持ち出すのを部下が目撃し、署長に報告して横領 が発覚した。
2013年8月7日 - 岡山西警察署生活安全課の巡査部長を勤務中に捜査車両内で、後輩の女性警察官の体を無理やり触るなどしたとして強制わいせつ の疑いで逮捕した。
2014年5月 - 倉敷警察署 地域課の男性巡査 を窃盗 事件の被害届など捜査書類33通を寮の自室に隠したとして、公用文書毀棄 容疑で書類送検された。
2014年7月 - 岡山県警の覆面パトカー が6月、逮捕状を請求するため山陽自動車道 を時速約140キロで緊急走行し速度超過したとして、県警が道路交通法 違反(速度超過 )の疑いで笠岡署交通課の30代の男性巡査長 を書類送検していたことが3日、分かった。巡査長は6月27日付で処分したが、内容は明らかにしていない[ 15] 。
2015年 7月 - 14日午後10時ごろ、岡山市南区新福二丁目の国道交差点で緊急走行中の岡山南警察署のパトカーが同市の男性会社員の乗用車と出合い頭に衝突した[ 16] 。
2018年 12月10日 - 岡山県警察学校に於いて、凶器 所持者を1対1で取り押さえる訓練を実施していたが、その際、被疑者 役を演じていた教官の男性警部補が、模造刀 を手放した後、本物のサバイバルナイフ で訓練生の新人巡査の胸を2度に亘り刺した。巡査は傷が肺 に達し数日間入院。当該の警部補は翌2019年3月に、過失致傷 容疑で罰金 50万円の略式命令 を受けたが、県警は2019年7月に報道されるまで事実を公表していなかった[ 17] 。被害に遭った元巡査は、加害者の警部補を逮捕しない県警に対し怒りを感じ、慰謝料などを求めて岡山地方裁判所 に提訴している[ 18] 。県が解決金200万円を払い和解した[ 19] 。
2020年 1月9日 - 機動隊所属の男性巡査長(26歳)が9日夜、岡山市内の飲食店駐車場に止めた私有車内で岡山県内在住の知人女性(20代)の胸などを合意なく触るなどわいせつな行為をしたとして13日、県警は男性巡査長を強制わいせつ容疑で書類送検し、停職(3カ月)の懲戒処分にした。なお、男性巡査長は同日付で依願退職となった。県警は、逮捕しなかった理由を逃走 や証拠隠滅 の恐れが無かったためとしている[ 20] 。
2020年1月 - 31日、総社警察署 管内の駐在所の男性巡査部長(35歳)が2019年6月2日~8月20日、パトロール や巡回連絡 を怠るなどしており、426時間の勤務時間のうち183時間について怠慢な勤務と判断した。実態のない時間外勤務 も申請していたとして減給 100分の10(3カ月)の懲戒処分にした。また監督責任で上司2人を所属長注意とした[ 21] 。
2020年5月 - 真庭警察署 の駐在所に勤務する男性巡査部長(40代)が同署にドメスティックバイオレンス の相談をした女性の自宅を2020年5月下旬の勤務時間外に「飯を持ってきた」と個人的に訪問し、室内で一緒に食事をしていた。後日、女性が知人を介して同署に抗議して発覚した。職務で知り得た情報を悪用した不適切な行為として、県警は男性巡査部長を地方公務員法 違反(信用失墜行為)に当たる可能性もあるとして処分を検討している。この男性巡査部長は、実弾 が入った拳銃 を本来管理するはずの保管庫に入れず、個人ロッカーに放置していたことも判明した[ 22] 。
2021年10月 - 10代の少女に性的暴行をしたとして、岡山南署の巡査を強制性交の疑いで逮捕した。逮捕容疑は9月19日未明、県南部の駐車場にとめた車内で、少女が13歳未満であることを知りながら性的暴行を加え、同22日にも県南部のホテルでこの少女に性的暴行をしたとしている。少女が通う学校関係者から県警に連絡があり、発覚。少女のスマートフォンなどから関与が浮上した。
2021年7月 - 7月6日から県警のTwitter 公式アカウントが凍結され、同月9日に解除されるまで閲覧できない状態になった。岡山県警は凍結直前に「援交 」や「パパ活 」といったハッシュタグ (検索ワード)を用いて、児童 の性犯罪 被害抑止の為の啓発を書き込んでおり、この投稿がTwitter社が定めている利用ルールの「児童の性的搾取を助長するアカウントを凍結する」に抵触した可能性があるとしている[ 23] [ 24] 。
2023年7月 - 家出中の少女を勤務する駐在所に連れ込んでわいせつな行為をしたとして、県警は12日に児島警察署地域課の男性巡査部長(49)を強制わいせつなどの疑いで逮捕した。発表では、巡査部長は勤務中の3日、倉敷市内の公園にいた少女が家出中と知りながら「駐在所で休もう」と声をかけて宿泊させた上で、4日朝に抱きつくなどした疑い[ 25] [ 26] 。8月2日、岡山地検 は県青少年健全育成条例 違反の罪で巡査部長を起訴した[ 27] 。
2023年10月-岡山南警察署 で事件の証拠品として保管されていた320万円が紛失した。県警が署員などへの聞き取りから、男性巡査長の関与が浮上。男性巡査長(30)は「ギャンブルで借金をしていて金をとった」と話している[ 28] 。
2023年11月 - 過去に玉島警察署長、生活安全部統括参事官を歴任し中国四国管区警察局 へ出向中の50代の男性警視正が不同意性交等罪 の容疑で広島県警察 に逮捕された。警視正はマッチングアプリ を使用し複数の女性と関係を持ったとされる。また被害者に対し自分の身分が警察官であることを明かし、上着の下に着用した階級章付きの制服を女性に見せたうえ「この行為は売春に当たる」と脅迫したうえ「始末書」という名の誓約書を書かせ口外しないよう口止めしたとされる。自宅に連絡先を聞きに来るなどの行為に悩んだ女性が広島県警に相談したことで発覚した。警視正は「捜査の一環であった」と容疑を否認している[ 29] 。
2024年1月 - 県警交通部長を務める50歳代の男性警視正が、前年の2023年に実施された巡査部長昇任試験の出題内容を、部下の警察官に対し漏洩した疑いがあることが判明。問題を漏洩された警察官が県警に相談し、県警はこの交通部長に対し、国家公務員法 (守秘義務)違反容疑で事情を聴いている[ 30] 。同月26日、県警は同法違反の疑いで警視正を書類送検した。また、減給6カ月の懲戒処分とし、警視正は同日付で依願退職した。県警監察課によると、警視正は2023年6月から9月ごろ、同じ警察官に性的な言動を繰り返すセクハラ もしていたという[ 31] 。3月27日、岡山地検は元警視正を起訴猶予処分 とした[ 32] 。
脚注
出典
関連項目
外部リンク