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鷲(わし)とは、タカ目タカ科に属する鳥のうち、オオワシ、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなど、比較的大きめのものを指す通称である。タカ科にて、比較的大きいものをワシ、小さめのものをタカ(鷹)と呼ぶが、明確な区別はなく、慣習に従って呼び分けているにすぎない。
鷲はその姿から鳥の王者とされ、信仰の対象にもなった。ローマ皇帝の紋章は鷲である。のちに東ローマ帝国が双頭の鷲を紋章とし、ロシア帝国などへ受け継がれたほか、12世紀以前からセルビアの国旗には白い双頭の鷲が描かれている。中欧・西欧ではハプスブルク家によって神聖ローマ帝国からオーストリア帝国へ双頭の鷲が受け継がれ、プロイセン王国やドイツ帝国も鷲を紋章とした。ナチス・ドイツもそれにならい、軍服や建築物の随所に鷲の意匠を施した。現在のドイツ・オーストリア両国の国章にも鷲が使われている。また、ナポレオンやイギリス王室、ポーランドなども鷲を紋章に取り入れている。
メキシコ国旗に描かれているワシは「ウィツィロポチトリの予言鷲」と呼ばれる。「蛇をくわえた鷲がサボテンの上にとまっている場所を見つけ、そこを都とせよ」という神託に従い、現在のメキシコシティに安住の地を見つけたというアステカ族の神話にちなんだものである。 アメリカ合衆国はハクトウワシを、フィリピンはフィリピンワシを国鳥としている。
鷲の尾羽は矢羽根として最高のものとされる。陸奥国の名産として朝廷や伊勢神宮の遷宮の折などに鷲の尾羽を献上したという記録が残っている。中央ユーラシアのカザフ人やキルギス人は、イヌワシを鷹狩用に馴致する習慣がある[1]。
ワシは「鳥の王者」として、力強い印象を与えることから、その名を冠した様々な物事が存在する。
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