マスターカード(英語: Mastercard Worldwide)は、クレジットカードの国際ブランド、またこれを運営するアメリカ合衆国の企業のことである。Mastercard(MC)のほか、Cirrus, Maestro, Mondex, Masterpass(英語版)といったブランドを展開している。
概要
マスターカードと同様のクレジットカードの国際ブランドであるVisaに比較して、ヨーロッパで強いと言われる。「Maestro/Maestro PayPass/MaestroContactless」という接触型決済/非接触型決済方式のPOSオンラインデビットカードが、日本以外の210か国地域で拡大している。クレジットカード以外にもデビットカードやプリペイドカードも展開しており、近年[いつ?]ではMastercardコンタクトレスという非接触型決済にも対応している。Visaと同様に、自社でカード発行は行わずにカード会社に決済システムの提供をしている(アメリカン・エキスプレスやJCBは自社ブランドのカード発行もおこなっている)。
キャッチフレーズとして「Priceless」を掲げており、全世界でこのフレーズを前面に出している。また、ラグビーワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグ、ニュージーランド (NZ)ラグビー協会、MLB、PGAツアーなどのオフィシャルパートナーである。かつては、FIFAワールドカップのオフィシャルパートナーであったが、2007年にVisaに取って代わられた。
歴史
- 1966年 - アメリカにてカード発行を行っていた銀行などにより、チェース・マンハッタン銀行を中心に地方銀行協会に属する Interbank Card Association が組織される。1967年独立してマスターチャージへと社名を変更。
- 1969年 - マスターチャージからマスターカード・インターナショナルへと社名変更。
- 1990年 - Maestroを運営していたユーロ・インターナショナルを買収。
- 1996年 - 世界初の電子貨幣、MONDEX Internationalを買収してMondexブランドに切り替える。
- 1999年 - 世界初、MasterCard Paypass の前身である OneSmart Paypassを開発。
- 2000年 - OneSmart PaypassをVISA, AMEX, JCBの順でライセンスする。
- 2002年7月2日 - ドイツ・フランクフルトでユーロ・カードと統合。同年10月、OneSmart Paypassを MasterCard Paypassへ変更。
- 2006年6月28日 - マスターカード・インターナショナルからマスターカード・ワールドワイドへの社名変更を発表。新たなコーポレート・ガバナンスとオーナーシップの体制に転身(ニューヨーク証券取引所に新規上場し、MAの銘柄で株式を公開)。MasterCard Foundationを設立。
- 2016年9月30日 - ロゴマークを20年ぶりに一新。表記を「MasterCard」から「Mastercard」(ロゴ上は「mastercard」。2019年よりロゴの文字を除去)に変更。
- 2016年 - 世界初の生体認証決済をノルウェーのカード製造会社・Zwipeと共同開発した指紋センサー付きのマスターカード・バイオメトリックカードを発行して、2017年からヨーロッパのみで普及する。
サービス
マスターカードのサービスは、マスターカードから権利を得た者が、自身の会員に提供するものであり、マスターカードが直にサービスの提供を行わない。マスターカードから権利を得た者が、Mastercard ブランドのクレジットカードの発行や加盟店に関する業務を行っている。
クレジットカード
次のクレジットカードが発行されている。[1] [2]
- Standard Mastercard(スタンダードMastercardカード)
- Gold Mastercard(ゴールドMastercardカード、ゴールドカード)
- Titanium Mastercard(ゴールドカード)
- Platinum Mastercard(プラチナMastercardカード、プラチナカード)
- World Mastercard(ワールドMastercardカード、ブラックカード)
- World ELITE Mastercard(ワールドエリートMastercardカード、ブラックカード)
Mastercardコンタクトレス(旧Mastercard PayPass)
非接触決済サービスである。非接触ICカード通信方式であるISO/IEC 14443(Type A)を採用している。
Mastercard SecureCode
インターネットによる決済を、3Dセキュアを入力する事で安全に行う事が出来るサービスである。
Mastercard ID Check
従来のMastercard Securecodeでも、カード番号、有効期限、セキュリティーコード、本人認証パスワードを行っても、ハッキングされる恐れがあるため、日本だけ除く2015年から実験と同時に商用化した。
カード番号、有効期限、セキュリティーコード、本人認証パスワードの他に、顔認証登録して通販の支払いを可能にする。
顔認証は、カード発行元とマスターカードが管理するため、加盟店に知られることは無い。
現在は、2020年から楽天銀行デビットマスターカードのみMastercard ID Checkの名前だけ変更して、顔認証登録決済は行われていない。
ギフトカード
予め一定の金額(500ドルから2500ドル)をチャージしておけるクレジットカードと同サイズのプラスチックカードで、それを無記名のまま譲渡することができる。譲渡された相手はそのカードでチャージしてある金額までショッピングに使えるもの。商品名は「Mastercard Gift」。
日本におけるマスターカード
沿革
- 1969年 - 6月23日にユニオンクレジット株式会社として設立される。「ユニオン」とは、設立に関わった銀行(当時の第一銀行・富士銀行・日本勧業銀行・太陽銀行・埼玉銀行・三菱銀行)のクレジットカードの共同体の意である。
- 1970年 - 三菱銀行はユニオンクレジットメンバーから外れる。三井銀行と大和銀行がメンバーに加わり、各行が設立したクレジットカード会社(現在のUCカードグループ)がユニオンカード(名称は発行各社それぞれ)を発行するようになる。
- 1971年 - ミリオンカード・サービス(MCカード、旧東海銀行が母体、現在の三菱UFJニコス)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1972年 - Interbank Card Association (現Mastercard Worldwide) に加盟。ユニオンクレジット(UCカード、旧第一銀行・富士銀行・日本勧業銀行・太陽銀行と埼玉銀行のユニオン、後から加わった三井銀行・大和銀行が母体。旧ユーシーカード)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1973年 - 日本信販(NICOS、現在の三菱UFJニコス)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1981年 - オリエントファイナンス(OFC、現在のオリエントコーポレーション)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1982年 - セントラルファイナンス(CF、現在のセディナ→SMBCファイナンスサービス)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- (以後、各社でMasterCardブランドのカード発行が開始される。)
- 1989年 - DC、MC、UCおよびその親会社である第一勧業銀行、富士銀行、三菱銀行、東海銀行の提唱により、マスターカード・ジャパン(現在の日本マスターカード決済機構)が設立される。同年、オムニカード協会設立。旧住友クレジットカードが設置したVISA発行権利付与のVJA協会に続くMasterCard発行権利付与協会。国際ブランドデュアル化の流れに対応し、MasterCardブランドのクレジットカードを発行出来る様にする為に設立される。しかし、MasterCardブランドは主力商品である旧住友VISAの補完的な位置付けにあり、積極的な宣伝等は行われていない。
- 1998年 - アコムがMasterCardブランドのカード発行を開始、消費者金融初の国際クレジットカード。
- 1999年11月 - OneSmartPaypass の実証実験を米国で開始する。
- 2000年10月 - OneSmartPaypass の実証実験が成功する。アメックス・JCB・VISAへ技術供与する。
- 2002年 - OneSmartPaypass を MasterCard Paypass へ変更する。世界初の非接触決済サービスの誕生である。
- 2019年4月1日 - 住信SBIネット銀行が日本初のMastercardコンタクトレスに対応したMastercardデビット付キャッシュカードが発行開始。[3]
発行
日本国内でMastercard Worldwideから直接ライセンスの供与を受けてMastercardカードを発行している会社は、次の通りである[4]。これ以外の会社が発行しているMastercardカードは、以下のいずれかと提携して、加盟店開放によるライセンスの供与を受けた上で発行している。
加盟店
日本において Mastercard ブランドの加盟店に関する業務を行う Mastercard アクワイアラーは、次の通りである[5]。
- ユーシーカード株式会社
- 三菱UFJニコス株式会社
- 三井住友カード株式会社
- 株式会社オリエントコーポレーション
- ポケットカード株式会社
- 楽天カード株式会社
- トヨタファイナンス株式会社
- イオンクレジットサービス株式会社
- SMBCファイナンスサービス株式会社
- ライフカード株式会社
CM
近年ではCMなどを通じて知名度の向上を積極的に進めている。その結果、日常会話などにおいて、そのCMの決まり文句が引用されることがある。
- 「お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで。」
- アメリカ合衆国で使われた広告文 "There are some things money can't buy. For everything else, there's MasterCard." を日本語に翻訳したものである。MasterCardのウェブサイトでは、この広告文を英語以外の言語に翻訳したものが次々と表示される。
Mastercardコンタクトレス
日本では、Mastercardコンタクトレス(旧称:MasterCard PayPass)を搭載したクレジットカードが発行されている。また、携帯電話を利用したフィールド実証実験が2008年に行われている[6]。
Mastercard SecureCode
次の各社が対応している。
ギフトカード
ライフが発行予定であったが、発行延期のアナウンスが[7]されてから発行予定がない。なお、日本円で10万円相当額を超える場合は法律により発行が不可能である。[要出典]
主な出身者
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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- 銘柄入替日時点でのウェイト順
- 緑字は2024年3月18日入替銘柄
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