『ボスコニアン 』(BOSCONIAN ) は、1981年 11月 にナムコ から発売された業務 用多方向スクロールシューティングゲーム [1] [2] [3] 。タイトル画面では “STAR DESTROYER”(スター・デストロイヤー)というサブタイトル 風のフレーズが添えられている。開発コードは「V-9」[4] 。発売時のキャッチコピー は、「Formation Attack!.... コンピューターボイスが告げた宇宙海賊 との戦闘が始まる 」[5] 。海外では、米ミッドウェイ 社に対し、南北アメリカにおける本作の業務用機製造・販売許諾が与えられた[6] 。
本作のキービジュアルは、SF イラスト の第一人者であった長岡秀星 によるもので[7] 、ポスターやフライヤー などに使用され注目を集めた[注釈 1] 。長岡の起用は、甲斐敏夫(同社『パックマン 』〈1980年 〉のサウンド担当)の提案による[9] 。
後に複数のパソコン やゲーム機 に移植されている(#移植版 )。また、続編としてアーケードゲーム『ブラストオフ』(1989年 )、およびPCエンジン 用ソフト『ファイナルブラスター』(1990年 )が発売された(#続編 )。
ゲーム内容
基本ルール
「銀河パトロール隊」と「宇宙海賊ボスコニアン」が戦いを繰り広げる3038年の宇宙を舞台に、メイン画面中央の「スペースパトロール機」[注釈 2] (以下、自機 )を操作し、各所に点在する「敵基地」[注釈 3] を破壊するのが目的となっている。“Blast off!”(訳:発進せよ!)の「コンピューターボイス」(合成音声 )[注釈 4] でラウンド開始。画面右側にあるレーダー 表示上の全ての敵基地を破壊するとラウンドクリアとなり、次のラウンドに進む。敵兵器や障害物に接触するとミスとなり、自機は破壊される。自機を全て失うとゲームオーバー。上位5位までのネームエントリー と、コンティニュー が可能となっている[注釈 5] 。
操作
操作は8方向レバーと1ボタンで行う[注釈 6] 。自機はレバー入力方向に瞬時に向きを変え、常に機首方向へ前進し続ける(自機の表示位置はメイン画面中央に固定され、周囲のキャラクターや背景が8方向にスクロールする)。ボタンを押すと進行方向の前後に「ミサイル 」[注釈 7] (以下、自弾)が発射される。これにより、自機を追尾する敵への攻撃も可能となっている[注釈 8] 。自弾は画面内に最大4発(=2連射)まで発射可能。
情報表示
画面レイアウトは、同社が本作の前年に発売した『ラリーX 』を踏襲しており、画面右側には上から順に「得点」・「コンディション」・「レーダー」・「残機 数」・「ラウンド数」が表示される。
得点は上から「HI-SCORE」(ハイスコア )、「1UP」(プレイヤー1の得点)、「2UP」(プレイヤー2の得点)となっている。初期ハイスコアは20,000点。ハイスコアを更新するとゲームオーバー時にハイスコアミュージックが演奏され、プレイヤーへの祝福メッセージとともに巨大な数字でスコアが表示される。上位5位に入ると英字3文字のネームエントリーが可能となる。
コンディション表示は合成音声とともに戦場の状況変化をプレイヤーに伝える。
コンディション表示・合成音声一覧[14] [15]
表示
音声
状況
(表示なし)
“Blast off!”
ラウンド開始
GREEN
(音声無し)
敵機攻撃なし
YELLOW
“Alert! Alert!”[注釈 9]
敵機攻撃あり
RED!!
“Condition red!”[注釈 10]
敵機総攻撃
FORMATION ATTACK
“Battle stations!”
敵編隊襲来
(表示なし)
“Spy ship sighted”
偵察機出現
非戦闘時は「GREEN 」。交戦状態に入ると「YELLOW 」に変化。ラウンド開始から一定時間[注釈 11] 経過するか、「偵察機」を1回または数回逃すと「RED!! 」が点滅表示され、「敵ミサイル」が大量に出現する「総攻撃」状態となる。総攻撃状態はミスをするか、そのラウンドをクリアするまで継続する[注釈 12] 。
敵ミサイルによる「編隊攻撃」が発生した際は、警告メッセージとともに隊列の形も表示される。
レーダーはフィールド全域をカバーしており、自機(点滅する白色の点)[注釈 13] ・敵基地(緑色の点)・敵編隊(赤色の点)の各位置を確認できる。レーダー表示の上下および左右の端はそれぞれ繋がっているため、フィールドには終端が存在しない。
残機数は小型の自機マークで表される(最大4機まで表示)。標準設定では全3機でゲームが開始され、得点が20,000点と70,000点で各1機追加、以後70,000点ごとに1機ずつ追加される。
ラウンド数は現在のラウンドを数字で表示する。敵基地の配置パターンはラウンド17までで一区切りとなり、ラウンド18以降はラウンド12-17のパターンを繰り返す。
難易度設定
本作は基板 のディップスイッチ により難易度 設定を切り替えることができる。設定は「A」・「B」・「C」・「AUTO」の4種類が用意され、Aが標準、Bが最も易しく、Cが最も難しくなっている[16] 。AUTOはプレイヤーの腕前に合わせて自動的に難易度テーブルを変更する仕組みで、これは『パックマン』のゲームデザイナー である岩谷徹 が考案した「セルフゲームコントロールシステム(自動難易度設定機能)」の概念を導入したものである[17] [18] 。
またAUTO設定では、ラウンドをノーミスでクリアするとボーナス得点が加算される。点数は (ノーミスクリア達成回数×100)×そのラウンドでの敵基地破壊数 となっている。ノーミス達成回数はコンティニュー後も引き継がれ、10回までカウントされる。敵基地は1ラウンドに最大8箇所設置されるので、ボーナス得点の上限は8,000点となる。
新旧バージョン
本作は大きく分けて「OLD」と「NEW」2つのバージョンがあり、以下のような違いや特徴がある[14] 。
NEWバージョンはボタンの長押しで連射が可能。
NEWバージョンの方が易しい。
各ラウンドの敵基地の配置パターンが異なる[注釈 14] (ミッドウェイ版は両バージョンともOLDの配置パターンとなっている[19] )。
その他
自機の爆発パターンの中に『宇宙大作戦 』の「エンタープライズ号 」に似たシルエットが存在する[14] [20] 。これは本作の開発中、同宇宙船を模したキャラクターを仮の自機として使用していた名残である。開発部の岡本進一郎によりデザインされたこのキャラクターは、同時期に開発していた『ギャラガ 』(1981年)のチャレンジングステージ専用キャラクターに転用された(ステージ31に登場)[21] [22] 。
ラウンド256到達時の挙動について、『ALL ABOUT namco』には「ボスコニアン(新バージョン)は256面になると、2面のMAPにもどり、そして恐ろしい速さで8方向スクロールする」と記載されており[14] 、アーケードアーカイブス 版などで動作を確認できる[24] [注釈 16] 。
また、雑誌『ゲーメスト 』(新声社 )1986年 5月号61頁には「256面までいくと暴走する」と記載されているが、具体的な挙動やバージョンについては言及されていない[注釈 17] 。
1クレジット255面クリア達成者は、日本で5人とされている(1986年5月時点)[25] 。
後のUGSF では、本作の時代設定を2281年とし、自機の名称を「対ボスコニアン戦航宙機『ブラスター』」と再設定している。同様にシリーズ続編の『ブラストオフ』は2289年、完結編『ファイナルブラスター』を2290年の出来事としているが、これらの年数の下二桁は各作品の発売年(西暦 )の下二桁と同一となっている(UGSF年表 )。
敵キャラクター
敵キャラクターの中でレーダーに表示されるのは敵基地と敵編隊のみである。また敵が自弾以外(障害物や敵基地の弾に当たるなど)で破壊されても得点が加算される。
障害物
その昔、巨大な惑星が砕け散った残骸[14] 。移動・攻撃能力はない。接触すると自機・敵機問わず破壊される。得点は10点。
宇宙海賊が防衛線のために敷設したもの[14] 。移動能力はないが、弾や機体が接触すると爆発する。巻き込まれると自機・敵機問わず誘爆によって破壊される(ただし敵基地の砲台には効かない)。20点。
敵ミサイル
宇宙海賊の主力兵器。自機とほぼ同じ大きさだが、戦闘機ではなくミサイルであり、体当たり攻撃を仕掛けてくる。
戦闘機の様な形をした薄紫色のミサイル。自機をしつこく追跡する。50点。
青いブーメラン型のミサイル。自機を囲むような軌道で攻撃してくる。60点。
敵基地中心部から発射されるオレンジ色のミサイル。ラウンド4から登場する。直進するだけだが、他のミサイルより速度が速い。70点。
編隊攻撃 (FORMATION ATTACK)
時折、上記のミサイルが編隊を組んで攻撃してくることがある。編隊攻撃発生時は画面右側のコンディション表示部分に「FORMATION ATTACK 」の警告と隊列の形が表示され、“Battle stations!”(訳:戦闘配置!)という合成音声が流れる。
自機が全ての敵基地から一定距離(敵基地中心部が画面に映り込まない程度)以上離れている時に発生する。
編隊は必ず5発(通常色4発+色違い1発)で編成され、色違いの1発が「司令機」となっている(コンディション表示部では、通常色のミサイルが黄色い点、司令機が紫色の点で表示される)。
編隊の隊形は4種類あり、隊形ごとに司令機の位置が決まっている[26] [注釈 19] 。
編隊攻撃発生から一定時間、または司令機が撃破されるまで、通常の敵ミサイルが出現しなくなる。
敵基地から発射され、高速かつ最短コースで自機へと向かって来る。レーダー上では赤色の点で表示される。
メイン画面に入ると、アイヒ型と同等またはやや速い程度まで減速し、自機に体当たりを仕掛けてくる。その際、個々のミサイルが向きを変えても編隊の形・向きは変化しない。
司令機を撃破すると警報が解除され、残ったミサイルは追尾性能を失って散開し、画面外に消える。司令機の得点は通常ミサイルの2倍となっている[1] 。
5発全てを撃破した場合、500点(アイヒ型)、1000点(プルーア型)、1500点(エッドール型)のボーナス得点が加わる[14] (最後の1発撃破後、点数表示あり)。
偵察機 (SPY SHIP)
ラウンド開始から一定時間[注釈 20] 経過すると出現する黄緑色の機体。登場する際は、警告として “Spy ship sighted”(訳:偵察機発見)という合成音声が流れる。
ミサイルとは異なり、積極的な体当たりは仕掛けて来ない[注釈 21] 。
画面外に逃げられると総攻撃開始までの時間が短縮される(短縮される時間は偵察機が画面内にとどまった時間に比例する[注釈 22] )。
逃げた偵察機は折り返し再登場し、撃墜されるか総攻撃が始まるまで偵察行動を繰り返す。
得点は200 - ?点[14] [注釈 23] (撃墜後、点数表示あり)。
撃墜から一定時間(10-15秒ほど)経過すると、別機体の偵察機が出現する(1ラウンドあたり最大4機まで[15] [注釈 24] )。
敵基地 (ENEMY BASE)
開閉式シェルター を持つ「中心部」と、その周囲に球状の「砲台」(CANNON)6基を連結した巨大要塞[注釈 25] 。レーダー上では緑色の点で表示される。移動能力はないが、砲台から発射される無誘導の弾[注釈 26] は、自機のみならず敵兵器(基地以外)や障害物も破壊する。加えて、ラウンド4以降は中心部からエッドール型ミサイルを発射してくる。シェルターが開いた時に中心部を攻撃するか、砲台を全て破壊すれば倒すことができる[注釈 27] 。得点は、砲台1基が200点、基地全体を破壊すると1,500点[注釈 28] 。破壊後は数秒間、敵の攻撃が弱まる[15] 。
その特異かつ印象的なデザインから本作を象徴するキャラクターとなっており、イラストやタイトルロゴ にモチーフとして使用されているほか、続編や同社他作品にも登場している(#関連項目 )。
移植版
基地の配置については、準拠しているバージョン等を備考欄に記す(エミュレータ 水準の移植は、収録バージョンとして記す)。
SORD M5 (タカラ ゲームパソコンM5)版
敵機の種類が少なく、敵基地中央から発射されるエッドール型ミサイル以外は、原作には存在しない黄色いUFO 型の機体しか登場しない。敵基地もやや小さく(自機の4キャラ分ほど)、配置パターンも独自のものとなっている。障害物は機雷のみで、敵機との衝突判定は無い。また、合成音声・コンディション関連の仕様・ハイスコア画面・ネームエントリー等も省かれている。
MSX 版
ナムコットゲームセンターシリーズの第10弾で、移植はプログラマー深谷正一 が担当[45] 。ハードウェアスクロール機能を持たないMSXで滑らかな(キャラクター単位ではない)スクロールを実現し、ラウンド開始時の音声 “Blast off!” も再現している。敵基地の配置はOLDバージョンに準拠しているが、ボタンの長押しで連射するNEWバージョンの仕様も採用されている。その他、以下のような違いがある。
自機が敵基地の間近にいても編隊攻撃が発生する。
編隊攻撃時、コンディション表示欄に隊形が表示されない。
偵察機出現時、コンディション表示欄に黄色地に黒文字で「SPY!! 」と表示される。
敵基地が縦(画面の上下方向からコアが破壊できる)向きでしか登場しない。
エッドール型ミサイルがラウンド3から登場する。
総攻撃中に敵基地を破壊すると総攻撃状態が解除される。
ゲームオーバー時のハイスコア演出が音楽のみ。
ネームエントリー・コンティニューが省略されている。
エクステンド (1UP ) の点数が異なる(10,000点と30,000点で各1機。以降30,000点毎に1機ずつ追加される)[46] 。
1990年 3月9日 に発売されたMSX2 用オムニバス ソフト『ディスクNG.1 』にも再録されている。
PC-6001mkII /6601版
移植は『タイニーゼビウス 』の作者松島徹 による。低解像度モードを使用し、やや低速ながらもスムーズな動作を実現している。コンディション表示や敵基地の向きなど、多くの要素でMSX版を踏襲しているが、エッドール型ミサイルの登場は原作通りラウンド4からとなっている。自機数はゲーム開始時は4機で、10,000点と50,000点で各1機、以降50,000点毎に1機ずつ追加される[注釈 30] 。
X1 版
アーケード版の再現を主眼とした「ノーマルモード」に加え、パワーアップ要素[注釈 31] や隠しコマンド[注釈 32] を追加した「スーパーモード」(全256ラウンド)を搭載。両モードとも3段階の難易度を選択できる[注釈 33] 。敵基地の配置は基本的にOLDバージョンに準拠[注釈 34] 。コンティニュー機能を実装しているが、再開はラウンドの最初からとなる。ゲーム開始時の自機数は3機。エクステンドスコアはモードによって異なり、ノーマルモードが10,000点と30,000点、以降30,000点毎。 スーパーモードでは15,000点と40,000点、以降40,000点毎となっている[47] 。
動きの滑らかさには劣るものの、横向きの敵基地や編隊攻撃警告時の隊形表示、ハイスコア画面などを再現している。その他、合成音声や偵察機警告表示、編隊攻撃および総攻撃の仕様、ネームエントリー省略などの各要素はMSX版と共通している。
X68000 版
ハードの性能に合わせリファインされたグラフィック、自機のパワーアップ要素[注釈 35] 、古代祐三 ・永田英哉 による独自のBGM [注釈 36] などが追加された「アレンジモード」(全48ラウンド)が本移植のメインとなっている。面構成やサウンドをアーケード版に準拠させた「オリジナルモード」も搭載(ただしグラフィックはアレンジ仕様のまま。全99ラウンド)[51] 。アーケード版に遜色のないクオリティを実現しているが、偵察機警告表示や総攻撃の仕様、ネームエントリーの省略など、MSX版以来の要素も引き継いだ内容となっている。両モードとも、ゲームスタート時の自機数は4機で、50,000点毎に1機ずつ追加される。
プログラム担当はPC-6001mkII版と同じ松島徹。本作は、松島が同時期に移植していたX68000版『アフターバーナー 』制作の息抜きとして、個人的趣味で作っていたものが基となっている[52] 。
ナムコミュージアム 版
バーチャルコンソール 版
2009年 11月17日 よりWii のバーチャルコンソールアーケード で配信開始(2019年 1月31日 サービス終了[53] )。
アーケードアーカイブス 版
2023年 8月24日 よりPlayStation 4 とNintendo Switch にて配信開始。OLDバージョンとNEWバージョンを収録。「ハイスコアモード」でもOLDバージョンとNEWバージョンとを選べる。「こだわり設定」にて起動画面の表示、ゲームスピードの調整、難易度の変更を設定できる。
なお、ファミリーコンピュータ への移植は、当時の技術的問題から画面を左右に分割しての多方向スクロールとレーダー表示の再現が困難であったため、また無理に仕様を変更した場合『ボスコニアン』らしさが失われることが懸念されたため、断念されている[54] 。
スタッフ
アーケード版
MSX版
PC-6001mkII版
X1版
X68000版
メイン・プログラム:NEKOMANMA(松島徹)
グラフィック・アレンジ:松島徹、R-MA G-ROW(土田康司)
音楽:永田英哉 、古代祐三
効果音:永田英哉
評価
アーケード版
ゲーメスト ムック『ザ・ベストゲーム2』(1998年 )では「秀作ゲーム紹介」に選定され、同書では本作の画面右にマップが付随している構成が同社の「『ラリーX 』のシステムを応用したものである」と指摘した上で、『ラリーX』において4方向であったものが8方向になっている事に関して「確実に進化していることを実感できる」と肯定的に評価した[59] 。また、『ラリーX』との大きな相違点として、マップ外に出る(ループする)事が可能な点を挙げている[59] 。
続編
ブラストオフ
『ブラストオフ 』(BLAST OFF ) は、1989年 3月24日 にナムコより発売された業務 用縦スクロールシューティングゲーム。システム基板「SYSTEM I 」の第15弾作品で、ROMキットでのみ販売された[60] 。開発元はN.H.SYSTEM[61] 。発売当時のキャッチコピーは「第二次宇宙 ( ボスコニアン ) 戦争勃発!! 」[62] 。
前作のボスコニアン戦争終結から数千年後、敗走したボスコニアン軍が他銀河系の支配者の助力を得て逆襲に乗り出し[注釈 39] 、銀河の覇権をかけた戦いが再び幕を開けたという設定で、最新鋭機「ブラスターFR」を操って敵要塞基地に侵入し、中枢を破壊、ボスコニアン軍を退けることが目的となっている[60] 。1ラウンドは3エリアで構成され、ゲームは全6ラウンド(18エリア)構成。各ラウンドの3エリア目は要塞基地内部での戦闘となり、自機が大きく表示される。操作は8方向レバー+2ボタンで、4種類の武器を随時切り替えることができる[63] 。
ゲームシステムの一部や演出面に前作の名残が見られるものの、ゲーム内容としてはほとんど別物となっている。爽快感の希薄さや敵デザインの地味さなどからゲームセンターで注目を集めることができず、ナムコのゲームとしては比較的短命であったとされる[64] 。2006年 9月より、携帯電話向けサイト「ナムコ・ゲームス」にて、iアプリ として配信・販売された[65] 。
スタッフ
『ブラストオフ』エンドクレジット より。
ゲームデザイン:NAK(中村伸武)、TAK(竹矢吉孝)
プログラム:NAK(中村伸武)
グラフィック:TAK(竹矢吉孝)
キャラクター:ARG、M.G
音楽:KOB(川瀬知香)、TOG(富樫則彦)
ファイナルブラスター
『ファイナルブラスター 』(FINAL BLASTER ) は、1990年 9月28日 にナムコ(ナムコット)から発売されたPCエンジン 用縦スクロールシューティングゲーム[66] 。シリーズ3作目にして最終作となっている。開発元はN.H.SYSTEM、ノバ[61] 、アイシステム東京[67] 。
ゲリラ戦を繰り返し、遂に月面にまで迫ったボスコニアン軍に対抗するため、人類は敵の本拠地「惑星ボスコニアン」への侵攻を決断した。敵壊滅作戦のコードネームは「ファイナルブラスター」。プレイヤーは最新鋭戦闘機「フェニックス」を駆って敵地最奥まで侵攻し、敵軍を司る「クイーンボスコニアン」を倒すことが最終目標となっている[68] 。自機は移動速度を随時4段階に変更可能で、アイテムの取得により通常弾のパワーアップとオプション を装備することができる。通常弾はパワーアップの段階とオプションの数の組み合わせによって、攻撃形態が16種類に変化。また、溜め撃ちで強力な貫通兵器「フェニックスブラスター」を発射する。さらにオプションを消費することで緊急回避用の「オプションボム 」を使用できるなど、多彩な攻撃手段が用意されている。全7ラウンド構成で、4回までのコンティニューが可能。ラウンド終了時の自機の状態とラウンド中のミスの回数によって次ラウンドの難易度レベルが変化する仕様となっており、最終ラウンドのレベルによってエンディングの演出も一部変化する。
覚え要素が強めの高難易度シューティングであり、原作とほぼ別物である点は前作と同様だが、自機パワーアップ関連の仕様やグラフィックの作り込みなど、比較的派手な作風に変化している。また、ナムコゲームへのオマージュ要素の多さも特徴となっている[注釈 40] 。2008年 9月より、Wii バーチャルコンソール ソフトとして配信・販売された[69] 。
スタッフ
『ファイナルブラスター』エンドクレジットより。
ゲームデザイン:TAKE(竹矢吉孝)
プログラム:D.HISAYA
グラフィックデザイン:KOJI 78
音楽制作:NORIRIN(富樫則彦)
音楽プログラム:KAERU.T(谷口蛙)
サウンドトラック
ナムコサウンドミュージアム メルヘンメイズ&ブラストオフ&ファイナルブラスター
(CD2枚組 / 型番:SRIN-1158 / 合計収録時間:2時間3分47秒)
2018年 11月30日 、スーパースィープ (Sweep Record) より発売[70] 。N.H.SYSTEM開発作品を集めたアルバム となっており、『ブラストオフ』はオリジナル音源14曲とアレンジ版2曲(アレンジャー :富樫則彦 ・江口孝宏)、『ファイナルブラスター』はオリジナル音源20曲とアレンジ版1曲(アレンジャー:細江慎治 )を収録している。
脚注
注釈
^ 本作を扱っていない製品パンフレット にも使用されている(参考1 ・参考2 )。2023年 現在、原画はバンダイナムコスタジオ 5階に常設展示されている[8] 。
^ インストラクションカード では「スペースパトロール機」だが、フライヤー では「ファイター」とも併記されており[10] 、近年の移植作品でも、このどちらか(あるいは両方)を採用していることが多い。その他、初期移植版では「マイシップ」や「スペース・クルーザー」などの呼称も使用された。
^ 初期移植作品等では「敵要塞」とも表記されている。
^ 声優は海外事業部部長(ナムコ・アメリカ社長)であった中島英行[11] [12] 。
^ ゲームオーバー後(またはネームエントリー後)に表示される15秒のカウントダウンが終了するまでにコインを投入し、スタートボタンを押せば、ゲームを継続することができる(基地の破壊状態なども継続されるが、得点は0点からとなる)。最初からプレイしたい場合は、カウント終了後にスタートボタンを押す。 コンティニュー制の採用は同社初であり、広告やフライヤーでも機能をアピールしている[5] [10] 。
^ ナムコ純正のコントロールパネルでは、右手でレバーを操作し、左手でボタンを押すという、後の主流とは逆の配置となっている[10] 。米ミッドウェイ社製アップライト筐体 では、レバーの左右両側にボタンが設置されている[13] 。
^ 「ミサイル」の呼称はナムコミュージアム シリーズ他で多く使われている。初期移植版のいくつか(PC-6001mkII 版やX1 版等)では「ビーム 砲」としている。
^ 自弾は発射後も自機の軸に追随(ワインド)するので、レバー操作により若干のコントロールが可能である。
^ ミッドウェイ版のフライヤーの表記では、“Alarm! Alarm!”[13] 。
^ 「RED!!」表示中は音声が繰り返し発声される。総攻撃開始から2分半弱経過すると、発声間隔が短くなる。
^ ラウンド1-2は約110秒。ラウンド3以降は約90秒。
^ ただし敵編隊出現時や敵基地破壊後は短時間ではあるが敵ミサイルの出現が停止する[15] 。
^ 正確には、白い点と黒い点が交互に表示される。
^ 各バージョン特有の配置パターンの例としては、OLDではラウンド3の「縦2列型」ラウンド10,15の「カシオペア座 とさんかく座 型」、NEWではラウンド9-11の「X・Y・Z型」、ラウンド17の「?型」型などが挙げられる。
^ 該当記事での表記は「刃」[14] 。
^ 出典の動画にはラウンド256クリア後の様子も記録されており、ラウンド1の配置に戻り、通常の速度でゲームが継続している。
^ バージョンについては、同記事内の敵基地配置パターンに関する記述(「X・Y・Z・?」)から、NEWバージョン(またはバージョン不問)である可能性がある[25] 。
^ A面 2曲目に収録。収録時間約15秒(無音部分を除くと約12秒)という短いもので、主に効果音 と合成音声で構成されている。
^ ミッドウェイ版のフライヤーに隊形図4種が掲載されているが(画像 )、直線型の隊形のみ司令機の位置が実際とは異なり、ゲームでは一番上のミサイルが司令機となっている[13] 。
^ ラウンド1-2は約60秒。ラウンド3以降は約40秒。
^ ただし事故的な衝突は起こり得る。
^ 偵察機を画面に捉えたまま、数秒間追跡してから逃がすと、登場初回であっても高確率で総攻撃が開始される。
^ 参考として、MSX 版(1984年 )の取扱説明書には「200〜800点」と記載されている。
^ 偵察機を一度も逃さず撃墜し続けても、4機目撃墜から10秒前後で規定時間に達し、総攻撃が開始される。
^ MSX版の取扱説明書では、「左右=72dot、天地=64dotという大きさは今までのドットキャラの中でも最大の超ド級であろう」と、その大きさをアピールしている。
^ MSX版の取扱説明書では「浮遊弾」、『ナムコミュージアムVOL.1』のキャラクタースライドショーでは「敵基地ミサイル」としている。
^ 自機の体当たりによっても破壊可能で(当然自機は失われるが)、その場合はシェルターが閉じた状態でも倒せる。
^ 中心部を攻撃して(もしくは体当たりで)破壊した場合、その時残存していた砲台の点数は加算されない。6基の砲台全てを破壊して倒すと、合計2,700点が加算される。
^ 雑誌『Oh!MZ 』1987年2月号(1月17日発売)の新作コーナーでは、「1月5日現在発売中」としているため[31] 、前年12月中に発売された可能性もある。
^ 規定点数を超えた時点で即エクステンドする他機種版とは異なり、PC-6001mkII版では規定点数超過後のゲームが停止するタイミング(ラウンドクリアやミスなど)でエクステンド処理が挿入される(参考:ニコニコ動画 )。
^ 『ラリーX 』シリーズのボーナスフラッグを模した3種類のフラッグが出現し、回収すると自機がパワーアップしていく。
Tフラッグ :総攻撃までの時間が表示される。直線型の敵編隊を全滅させると出現する。
Rフラッグ :レーダーが強化され、敵基地の向き(横=緑、縦=黄)や、Bフラッグが隠された敵基地(点滅)を識別できるようになる。偵察機を撃破すると偶に出現する。
Bフラッグ :ビーム砲が強化され、四方向(十字方向)に発射されるようになる。ラウンド4以降の特定の敵基地に隠されている。
各フラッグは自機がやられるまで効果を持続する。また、ストックも可能で、画面右下にカウントされる。
^ 「パスワードモード」や「サウンドテストモード」の他、ラウンド開始時の音声データを登録できる、「ボイスレコーディングモード」も搭載している。
^ 難易度は低い方から「GREEN」・「YELLOW」・「RED」。難易度ごとに敵基地の配置パターンが異なり、GREENはアーケード版 (OLD) に準拠、YELLOWはGREENの左右反転、REDは上下反転となっている。またYELLOW・REDでは、敵基地の向き(縦/横)が変更されている場合もある。
^ ラウンドが進むと、独自の配置パターン(マイコンソフトのマーク「dp」型など)も出現する。
^ 特定のラウンドで支援機が出現し、前3方向+後1方向を同時攻撃する「EXTRA CANNON」が使用可能となる。
^ BGMの追加に際し、FM音源 とADPCM を同期させる独自の音源ドライバー を開発・実装しており、ADPCMサンプリング機材として、「KORG M1 」・「YAMAHA RX-15」・「YAMAHA RX-5」が使用された[48] 。音源ドライバーの開発者は倉田佳彦とされる[49] [50] 。
^ 開発開始当初、新人であった佐藤は2年先輩の横山とチームを組み、共同で本作と『ギャラガ 』の企画に当たったが、後に佐藤が本作を、横山が『ギャラガ』を専任することとなり、それぞれ企画を勤め上げた[55] 。
^ 1979年に澤野が作成した『ポールポジション 』(1982年)の企画書には、コースをかたどった「レーダー 表示」の仕様が描かれており、このアイデアを用いた二つの素案が本作および『ラリーX 』(1980年)の基となっている[56] 。 澤野は佐藤と横山の上司として本作の企画に携わっているが、開発チームには参加していない[57] 。
^ UGSF 設定では、この時ボスコニアン軍を陰から支援したのが「バッツーラ」(『スターラスター 』の敵勢力)であるとしている(UGSF年表 )。
^ 例としては、ステージ1に登場する「バキュラ」(『ゼビウス 』の敵キャラクター)や、ステージ4ボスのブーメラン攻撃(『ドラゴンスピリット 』のラスボス「ザウエル」の攻撃方法)、「難易度レベルシステム」(『ギャラガ'88 』の「ディメンジョン・ワープ」)など[61] 。
出典
^ a b 「宇宙空間舞台に ナムコの新TV「ボスコニアン」 」『ゲームマシン』第178号(アミューズメント通信社)1981年12月1日、18面。オリジナル の2020年2月1日時点におけるアーカイブ。
^ 「Video Game (Coin-Op) Lists 」『ゲームマシン』第201号(アミューズメント通信社)1982年11月29日、20-23面。オリジナル の2019年12月1日時点におけるアーカイブ。
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参考文献
関連項目
ボスコニアン戦争の数百年後という設定で、接収されたボスコニアンの「敵基地」が補給基地として登場する。
宇宙墓場ステージ(ステージ15-17)の背景にボスコニアンの「敵基地」の残骸が登場する。該当ステージでは障害物として「機雷」も出現する。
『カイの冒険 』(1988年、ファミリーコンピュータ)
スペシャルステージにて、ボスコニアンの「機雷」・「小惑星」・「砲台」(実際は敵基地の中心部。一定間隔でシェルターを開き、エッドール型ミサイルを発射する)が登場する。
人類の植民星に侵攻してくる敵種族の一つとして、女性のみで構成された宇宙海賊「ボスコニアン」が登場する。また主人公の搭乗機の一つとして、本作の自機のリファインモデルである「GF-09 スパルタカス」が採用されている。本作はナムコスペースシューティングの主役機や敵種族が多数登場するクロスオーバー作品 となっており、UGSF 戦史に正史として認定されている。
世界的に有名なスペースオペラ のシリーズ。本作のタイトル及び固有名詞(敵ミサイルの名称など)の出典。
外部リンク