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オーブン(英: oven, 英語発音: [ʌvən])は、熱した空気または壁面などから発する赤外線によって食品を加熱し、焼いて、または乾燥を行う閉じた空間の調理器具である。日本語では天火(てんぴ)と称する。オーブンの最も一般的な用途は調理と陶芸であるが、調理用の大きなものや陶芸用を「窯」、(金属の)加熱や工業分野で使われるオーブンは「炉」や「工業用オーブン」という。近年は、世界中の数多くの家庭で調理および食品の加熱にオーブンが使われている。
インダス文明の集落では、紀元前3200年までに粘土と煉瓦家屋のオーブンが最初に使われた[1][2]。
料理歴史家によると、ギリシャ人がパン焼きの調理技術を確立したと信じられている。正面から出し入れするパン焼きオーブンが古代ギリシアで初めて作られた。ギリシャ人はパンの様々な生地、形状、および他の食品と共に供する様式を作りあげた。パンが家庭外で職人により調理され販売されるようになると、商売と職業としてのパン焼きが発展した。これは、最も古い食品加工の専門職の1つである。
ギリシャ人はまた、甘いパン、フリッター、プディング、チーズケーキ、ペイストリー、およびウェディングケーキの先駆者でもある。これらの料理は象徴的な形で調理され、特別な行事や儀式において供された。西暦300年までに、ギリシャ人は70種類以上のパンを発明した。
広く調理という観点から概観すると、現代では一般的なオーブンというのは、「焼き料理と加熱に使用する調理器具」という位置づけがされていることが多い。オーブンを用いた調理としては例えば、肉料理、キャセロール、パン、ピザ、またケーキ・焼き菓子などの焼き料理がある。
オーブンはまた、火力調節も様々である。複数の温度での燃焼を保つオーブンがある一方、最も簡易なオーブン(例えば、アーガクッカー)では火力調節が全くできない。より一般的なオーブンにはサーモスタットがあり、調整した温度に合わせて自動的にオーブンを点火・消火させる。最も高い設定にすると、直火焼きの原理が可能となる。タイマー付きのものでは、調理時間を設定し、自動的にオーブンを点火・消火させることができる。高級なオーブンは、より複雑なコンピュータ制御による様々な調理法が可能であり、特別な部品の測定温度で、食品が希望する焼き加減になると自動的にオーブン調理を終了させる。
庫内の清掃・洗浄を補助する機能を有するオーブンもある。「連続洗浄」オーブンは庫内表面を触媒で覆い、食品からのはね汚れ、垂れ汚れを常に分解(酸化)させる。「自動洗浄」オーブンは熱分解(高温加熱)で汚れを酸化させる。スチームオーブンは蒸気で汚れを浮かし、洗浄を容易にする。特別な方法がない場合、オーブン用合成洗剤を使うか旧来の擦り洗いをする。
一般に箱型で密閉できる形をしており、食品をのせた天パン(てんぱん=天火用Pan)を内部の棚にセットして、上下からの熱と内部にこもる食品からの水蒸気で蒸し焼きにする。そのため、食材を裏返さずとも、均一な加熱調理ができる。天パンを複数使うことで一度に大量の料理を作ることができるが、特に小さいオーブンでは、庫内の熱対流を妨げ無いよう、1枚のみとするのが望ましい。
グラタン、ローストビーフ、ローストチキンなどの料理や、焼き菓子、パン、ケーキなどに広く用いられる。
今では見ることがなくなってきたが、コンロの上に直接載せて使うオーブン(レンジトップ・オーブン)もある。オーブンを設置することができなかった家に人気であったが、収納に場所を取ることや、ガスコンロの側に安全装置が付けられてレンジトップに非対応になって来ていること、オーブンレンジの普及により家庭からは姿を消しつつある。簡易なものがキャンプなどのアウトドアクッキングで用いられることがあり、構造が簡単なため燻製器と同様に自作するアウトドア愛好家も多い。
調理以外にも、オーブンは様々な目的で使用されている。