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知多半島(ちたはんとう)は、愛知県西部、名古屋市や豊明市、刈谷市の南に突き出した半島。西は伊勢湾、東は知多湾・三河湾に挟まれている。南は伊良湖水道を経て太平洋に通じている。愛知県南北部。蟹の足の様に渥美半島と向き合っている。
知多半島の海岸部及び湾内の島々は三河湾国定公園、それに隣接する内陸部は南知多県立自然公園となっている[1]。
比較的細長い半島で、平地は狭く、ほとんどが緩やかな丘陵からなっている。海岸段丘の切り立った海岸も多い。最先端は南知多町にある羽豆岬である。
丘陵は地形的には愛知県中部を縦断する尾張丘陵の南に続くかたちとなっており、鞍流瀬川より南が大府丘陵、さらに阿久比川や大田川より南が知多丘陵となっている[2]。
地方自治体としては、東海市、大府市、知多市、常滑市、半田市、知多郡の東浦町、阿久比町、武豊町、美浜町、南知多町の5市5町の全域、および名古屋市緑区と豊明市の一部が該当する。人口617,330人、面積392.05km²、人口密度1,575人/km²。(2024年11月1日、推計人口)。大府市と阿久比町は海に面していない。美浜町と南知多町は伊勢湾と三河湾の両方に面している。
東岸を走るJR武豊線沿いの武豊町、半田市には臨海工業地帯が発展している。また、西岸中部の常滑市は古くから焼き物(常滑焼)産地として知られ、明治時代からは陶製土管など陶器の大生産地である。西岸北部の東海市、知多市の沿岸部は名古屋港から続く埋立地に工場が連なり、中京工業地帯のコンビナートとなっている。西三河地域に接する東岸北部の大府市や東浦町では自動車産業の集積が見られる。醸造業も盛んであり、ミツカンが半田市に本社を置くほか、サントリーグループがウイスキー「知多」を生産している。
半島北部と対照的に南部は工業化が進んでおらず、漁港が点在する。西岸では砂浜がよく残り、内海海水浴場などを抱える名古屋圏の行楽地となっている。
知多半島のほぼ全域は名古屋鉄道(常滑線、河和線、知多新線)により名古屋圏と結ばれている。特に北部では住宅地開発が盛んで、企業が集積する名古屋市や西三河地方への通勤者も多い。また知多半島道路の整備により半田市、武豊町の内陸部の発展が著しい。
2005年には、常滑市沖を埋め立てた人工島に中部国際空港が開港し、知多半島が東海地方の海外に向けた空の玄関となっている。
大きな川が無い知多半島は古来水不足であった。岐阜県内から水を引く愛知用水(1961年開通)により、ようやく住民や観光客向けの水道水や農業用水、工業用水の需要を満たせるようになった。
かつて大府市の近崎(ちがさき、近世に行われた干拓事業により後に内地化)、半田市の亀崎、南知多町の鳶ヶ崎を「知多三崎」と称した。
律令時代、知多半島は尾張国に所属した。したがって、稲沢市に有ったとされる尾張国の国府に服属していた。
北部は早くから中京工業地帯の一角を形成していた。特に北西部では製鉄・石油化学・火力発電などが発達し、北東部には自動車製造業の進出がみられる。近年は名古屋市の衛星都市化進行で人口増加が著しい。一方武豊町より南の地域は第1次産業を主体とした漁村地域で、少子高齢化が進み人口も減少傾向にある。全国区の話題となった南セントレア市は、美浜町と南知多町が合併して誕生する予定だった市名である。しかし住民投票の結果合併案は否決され、2町は当分単独行政を続けることとなった。
衆議院小選挙区では10市町のうち大府市のみが愛知7区で、その他はすべて愛知8区に属する。概して自民党が比較的優位に立つ保守地盤で、久野忠治元自治相が涵養(かんよう)した県内有数の自民牙城であった。小選挙区制度に変更された後も、自民党が中部国際空港建設や各種産業の誘致などで域内の有権者に対する影響力を維持していたが、2003年衆院選以降は民主党伴野豊と毎回激しくしのぎを削るようになった。2020年現在、7区の山尾志桜里衆議院議員は立憲民主党を経て国民民主党に所属しており、8区の伴野は落選中ながら国民民主党に所属している。
知多弁が話されている。知多弁は広義の名古屋弁(尾張弁)に含まれるが、三河弁との共通点も多い。そのため、名古屋市や一宮市等の尾張北部とはアクセントや文法において幾分異なっている。