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恋愛小説(れんあいしょうせつ)は、異性間もしくは同性間での恋愛を主題とした小説のこと。

概要

文学史的には、現在に伝わる、世界最古の恋愛小説は、ロンゴスダフニスとクロエとされている。

恋愛小説の古典としては、スタンダール作『赤と黒』、ジェーン・オースティン作『高慢と偏見』、エミリー・ブロンテ作『嵐が丘』、シャーロット・ブロンテ作『ジェイン・エア』、ゲーテ作『若きウェルテルの悩み』、ツルゲーネフ作『初恋』などが挙げられる。

純文学とみなされる作品も少なくないが、通俗的なものはロマンス小説 (romance novel) と称されることもある。ロマンス小説は、若者同士のどこにでもありそうな恋愛体験や事件をテーマにした小説であったり、純愛を強調した空想的なストーリーであったりすることも多い。ジュブナイルヤングアダルト向けの作品が多く、ありきたりなパターン、結末に終始することが多いため、ロマンス小説(または恋愛小説)といった場合、暗に安っぽいという揶揄を含んでいることがある。

そうした小説を、若い女性のひと夏の恋、海外体験、避暑地シンデレラ・ストーリーといったパターンにはめて、消費される文学として次々に生み出し、それを1つの出版のスタイルにまでしたものもある。ハーレクイン・ロマンといわれるものがそれで、ハーレクインが発売している一連のペーパーバック本やその翻訳書が挙げられる。作家としては、バーバラ・カートランドなどがいる。また、それに類似する出版物をも含むことがある。

日本

日本では、恋愛小説という言葉自体が明治時代後期から使われるようになり、大正時代初期には教育界で問題視されるようになった。このため出版界では家庭小説少女小説といった言葉が使用されるようになった[1]

第二次世界大戦後、ジュブナイルの分野では、主に少女向けとして集英社コバルト文庫など、専門の文庫レーベルを刊行している出版社も現れた。オリジナル作品が多いが少女漫画アニメ小説化もあり、さらに文庫が漫画・アニメの原作となる場合もある。

脚注

  1. ^ 下川耿史『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p.391 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067

関連項目